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初等幾何における反転
更新日:2022-05-18

ここでは,数学オリンピックの幾何における反転について解説します. このテクニックを使うと,一見すると複雑な問題でもスッキリと解けることがしばしばあります.

なお,この記事は 反転幾何まとめ - 数学徘徊記 のリメイク版となります. また,以降ではすべて平面上で議論を行いますが, より高次の場合も同様の発想が可能です.

無限遠点

反転を考えるうえで重要なのが,平面にどの点とも異なる無限遠点 $\infty$ が追加されるということです. そして,全ての直線は無限遠点を通り,全ての円は無限遠点を通らないものとします.

無限遠点も含めた平面が球面と一対一に対応することは注記しておくべきでしょう. 平面 $\alpha$ に点 $P$ で接する球 $\Omega$ をとり, $\Omega$ の中心に関して $P$ と対称な点を $Q$ とします. このとき,$\alpha$ 上の点 $X$ に対し, 直線 $QX$ と $\Omega$ の交点のうち $Q$ でないほうを $\phi(X)$ とし, また $\alpha$ の無限遠点 $\infty$ に対し $\phi(\infty)=Q$ とすることで, $\alpha$ から $\Omega$ への全単射 $\phi$ が得られます.

すると(証明は少し難しいですが挑戦してみるとよいでしょう), $\alpha$ 上の直線や円は $\phi$ で移すと円になります. 直線と円が統一的に扱えるのは嬉しいです.

注意するべきこととして,平行でない $2$ 直線は無限遠点でも交わります. また,平行な $2$ 直線は無限遠点で「接する」とみなします. $2$ つの円が接することと共有点がただ $1$ つであることが同値であることを考えれば, 自然な一般化です. $\phi$ で移すと $Q$ で接する $2$ つの円になることからも自然な定義だと思えます.

今後,断りのない限り平面と言った場合には無限遠点も含めることとします.

反転の定義と性質

定義

ではさっそく反転の定義をしていきましょう.

定義.

無限遠点でない点 $O$ を中心とした, 半径 $r$ の円 $\Gamma$ について, 円 $\Gamma$ に関する反転 $f_\Gamma$ とは, 以下で定められる平面から平面への写像である.

またこのような反転について,$O$ を $f_\Gamma$ の中心, $r$ を $f_\Gamma$ の半径と呼ぶこととする.

「写像」という言葉が難しい人は, 平面の点を,ある平面の点へ移す操作のことだと思っても大丈夫です.

以降,簡単のため円 $\Gamma$ での反転を $f_{\Gamma}$ と書くこととしますが, これはこの記事のためにいま導入しただけの記法なので, 答案で使う際は必ず自身で定義してください. また,図形(円や直線や) $D$ に対し, 点 $P$ が $D$ 全体を動くときの $f(P)$ のなす図形を $f(D)$ で表すとします (これは,写像についての一般的な記法なので,断りなしに用いて大丈夫でしょう).

また,実行している反転が明らかな場合は,特に断りなしに点 $X$ の移り先を単に $X’$ などと表すものとします. 多くの場合は $1$ 問に実行される反転はたかだか一度なので,これで差し支えないことがほとんどです. 他に $X^\ast$ などが用いられる場合もあり($X’$ は対称点や同一法の過程など幅広く用いられるからでしょう), これらは界隈では浸透している表記ではあるものの, いずれにせよやはり答案ではひとこと断って用いるようにしましょう.

簡単な性質

以下の性質は定義からただちにわかるので, 確認してみてください.

加えて,中心 $O$ の反転について,次のような性質が成り立ちます:

これらは方べきの定理などを用いて証明できます.

ここで注意です. $O$ を通らない円 $\Omega$ について, $\Omega’$ は $O$ を通らない円ですが, $\Omega$ の中心は $\Omega’$ の中心に移るとは限りません. ここは初心者が間違えやすいポイントだと思うので注意してください. ではどこに移るのか?考えてみるのは良い演習問題だと思います. ただし,$O$,$\Omega$ の中心,$\Omega’$ の中心は同一直線上にあります. これは,図が $O$ と $\Omega$ の中心を結ぶ直線に関して対称なことからすぐにわかります.

という性質もあります. これは,直線または円に関しては, 接することと共有点がただ $1$ つであることが同値なことからわかります (無限遠点を含めた平面に自然に多様体の構造が入ることを示して 反転が微分可能な写像であることを言ってもよい).

ここで,簡単な演習問題を出しておきます.

#1
★☆☆☆☆
簡単な性質

中心 $O$ の反転について,

  1. 三角形 $OAB$ と三角形 $OB’A’$ が相似であることを示せ.
  2. $A,B,B’,A’$ が同一円周上にあることを示せ.
#2
★☆☆☆☆
簡単な性質

円 $\Gamma$ 上に相異なる点 $A,B$ をとり, 線分 $AB$ の中点を $P$,$\Gamma$ の $A,B$ での接線の交点を $Q$ とする. このとき $f_{\Gamma}(P)=Q$ を示せ.

ここで述べた性質は答案に断りなしで使ってよいと思います.恐らく.

反転のよくある使い方

円を直線にする

大抵の場合,円より直線の方が扱いやすいです.

#3
★★☆☆☆

$\Gamma_1,\Gamma_2,\Gamma_3,\Gamma_4$ は相異なる円であり, $\Gamma_1,\Gamma_3$ は点 $P$ で互いに外接し, $\Gamma_2,\Gamma_4$ もまた点 $P$ で互いに外接する. $\Gamma_1$ と $\Gamma_2$,$\Gamma_2$ と $\Gamma_3$, $\Gamma_3$ と $\Gamma_4$,$\Gamma_4$ と $\Gamma_1$ の交点のうち $P$ でない方をそれぞれ $A,B,C,D$ とするとき, \[\frac{AB\cdot BC}{AD\cdot DC}=\frac{PB^2}{PD^2}\] を示せ.

$P$ を通る円がたくさんあるので,$P$ を中心に反転するとよさそうです. 半径は何でも良さそうなので $1$ とします.

余談ですが,幾何の証明問題において絶対的な「大きさ」が問題となることはあまりないので, 反転の半径はほとんどの場合は影響しません. 今回は長さを扱う問題なので,簡単のため $1$ として明示していますが, 単に位置関係のみが重要である場合は,特に半径を明示せず単に「点 $X$ で反転する」などと書いて差し支えありません (なお,一つの例外として,ある円を不変に保つことで元の図と合わせ技にするためにあえて反転のもととなる円やその半径を指定することもありますが,これは少しハイレベルなテクニックなので初めは気にしなくてよいです.以下にもいくつか具体的な例があります).

$\Gamma_1’$ と $\Gamma_3’$ は平行な $2$ 直線となるので, 四角形 $A’B’C’D’$ は平行四辺形です. 非常にわかりやすい形になりました.これが反転の威力です.

辺の長さの関係が示すべきことですが, 三角形 $PAB$ と $PB’A’$ は相似なので, \begin{align} \frac{AB}{A’B’}&=\frac{PA}{PB’}\\ AB&=PA\cdot PB\cdot A’B’ \end{align} が成り立ちます.$A,B$ でなくほかの点でも同様です. また $A’B’=D’C’, B’C’=A’D’$ も成り立つので, \begin{align} \frac{AB\cdot BC}{AD\cdot DC} &=\frac{PA\cdot PB\cdot A’B’\cdot PB\cdot PC\cdot B’C’}{PA\cdot PD\cdot A’D’\cdot PD\cdot PC\cdot D’C’}\\ &=\frac{PB^2\cdot A’B’\cdot B’C’}{PD^2\cdot D’C’\cdot A’D’}\\ &=\frac{PB^2}{PD^2} \end{align} が示されました.

上の問題は反転しろと言っているような問題ですが, ここまで反転が見えやすいような問題は実際にはなかなかありません. そうした状況で一見すると非自明だな反転を適切に繰り出せるかが,本当の腕の見せ所です.

反転で動かない円

命題.

$O$ を中心とする円 $\Gamma$ 上に点 $A$,$B$があり, $A$,$O$,$B$ は同一直線上にないとする. このとき,直線 $OA$,$OB$ にそれぞれ点 $A$,$B$で接する円を $\Omega$ とすると, $f_{\Gamma}(\Omega)=\Omega$ である.

証明. 直線 $OA$,$OB$ は反転によって不変である. また,$\Omega$ の移った先の円について, 直線 $OA$,$OB$にそれぞれ点 $A$,$B$ で接するという状況は変わらない. このような円は $\Omega$ しかない.

上にも述べた通りですが,ある円を動かさない反転を考えることはよくあります.

対称性のある図を作る

例題を見てみましょう.

#4
★★★☆☆

円 $\Omega$ と,その直径ではない弦 $AB$ がある. $A$,$B$ それぞれでの $\Omega$ の接線は点 $C$ で交わっている. 線分 $AC$,$BC$ の中点をそれぞれ $M$,$N$ とする. $C$ を通り,$\Omega$ に外接する円が 直線 $MN$ と点 $P$,$Q$ で交わっている. このとき,$\angle{PCQ}=\angle{CAB}$ を示せ.

中心 $C$,半径 $CA$ の反転を考えてみましょう. 直線 $MN$ を $\ell$ とすると, $\ell’$ は $\Omega$ と中心が等しい円となります. すると,弧 $P’Q’$ の長さが常に等しくなるため,問題が解けます.

ここでポイントなのが,「中心が等しい円」というとても対称性の高い図を作れているところです. 初等幾何で対称性のある図ってかなり強いです. というのも,等しい長さの辺や等しい角度といった関係がたくさんできるからです. また,円と円が接するという状況から, 円と直線が接するという状況になっているところもポイントです.

「反転で動かない円」の例になっていることも確認しておくべきでしょう.

三角形 $OAB$ と $OB’A’$ の比較

三角形 $OAB$ と三角形 $OB’A’$ は相似でした. この $2$ つの三角形を比較するのもよくある議論です.

#5
★★☆☆☆
構図

三角形 $ABC$ において,円 $\omega$ は, 辺 $AB, AC$ と接し,三角形 $ABC$ の外接円と点 $P$ で内接している. また,$\angle A$ 内の傍接円と辺 $BC$ の接点を $Q$ とする. このとき,$\angle{BAP}=\angle{CAQ}$ を示せ.

$A$ 中心の $\omega$ を固定する反転 $f$ を考えましょう. すると直線 $B’C’$ は $\omega$ に点 $P’$ で接することがわかります.

ここで三角形 $AC’B’$ に注目してみると, $\omega$ は $\angle A$ 内の傍接円であることがわかります. したがって,三角形 $ABC$ と三角形 $AC’B’$ の相似において, $Q$ と $P’$ が対応していることがわかります. よって $\angle{BAP}=\angle{B’AP’}=\angle{CAQ}$ となり,示されました.

ちなみに,この円 $\omega$ は mixtilinear incircle とよばれています. たまに出てくることがあるので覚えておきましょう.

方べきと組み合わせる

命題.

直線 $AB,CD,EF$ は点 $P$ で交わっており, 四角形 $ACBD, CEDF, EBFA$ はそれぞれ円に内接する. このとき任意の反転において, 直線 $A’B’, C’D’, E’F’$ は $1$ 点で交わる.

証明. 反転の中心を $O$ とする.$PO\cdot PQ=PA\cdot PB$ となるように点 $Q$ を直線 $OP$ 上の適当な方向にとると, 方べきの定理より四角形 $OAQB,OCQD,OEQF$ はそれぞれ円に内接する. したがって直線 $A'B', C'D', E'F'$ はともに $Q'$ を通る.

「$3$ 直線が $1$ 点で交わる」という条件または主張があるとき, 直線が円になるので反転すると嫌になりそうだという直感がありますが, 実は反転しても直線に言い換えられてそんなに嫌じゃない,ということがあります. 使いどころは少ないですが,頭の片隅にでも入れておくとよいでしょう.

内接円の構図

#6
★☆☆☆☆
構図

三角形 $ABC$ の内接円を $\omega$,外接円を $\Omega$ とする. $\omega$ と辺 $BC,CA,AB$ の接点をそれぞれ $D,E,F$ とする. このとき $f_{\omega}(\Omega)$ は三角形 $DEF$ の九点円であることを示せ.

系. 上の状況において,三角形 $ABC$ の内心 $I$ と外心 $O$ を結んだ直線は,三角形 $DEF$ のEuler線である.
証明. $f_{\omega}(\Omega)$ は三角形 $DEF$ の九点円であるから, その中心は三角形 $DEF$ のEuler線を通る. $f_{\omega}(\Omega)$ の中心,$\Omega$ の中心 $O$,$\omega$ の中心 $I$ は 同一直線上にあるから示された (再確認だが,$f_{\omega}(O)$ は $f_{\omega}(\Omega)$ の中心ではないことに注意せよ).

垂心の構図

三角形 $ABC$ において,垂心を $H$, $A,B,C$ から対辺におろした垂線の足をそれぞれ $D,E,F$ とするとき, 中心 $A$,半径 $\sqrt{AB\cdot AF}$ の反転において, $B’=F,H’=D,C’=E$ となります. また,「中心 $H$,半径 $\sqrt{HA\cdot HD}$ の反転をし, 点 $H$ に関して対称移動する」という写像を $g$ とするとき, $g(A)=D,g(B)=E,g(C)=F$ となります.

垂心絡みの構図は,共円やそれらの根心が多く現れるので,反転が効く場合があることを頭に入れておきましょう.

反転の強いところ・弱いところ

強いところ

弱いところ

とはいえ,基本的にめぼしい点で一度反転してみる分には損はありません. 当然ですが,等価な問題が $2$ つ並んでいた方が嬉しいです. 実際には「反転して解けた!」と思った問題でも,冷静になると反転しなくても同じような議論で解けていた,ということも少なくありませんが, 視界が広がるに越したことはありません. 例えば,反転した図を見たことで初めてある予想が立ち,それを元の図に引き戻すと実は簡単に示せた,といった状況は少なからずあることです.

例題

JMO,JJMO,近年のIMOは演習のため避けています. それらの中にも反転が有効な問題は少なくないので,是非トライしてみてください.

#7
★☆☆☆☆
練習用に作った問題

三角形 $ABC$ において,辺 $AB,AC$ 上にそれぞれ点 $D,E$ があり,$BC\parallel DE$ をみたす. 辺 $BC$ の中点を $M$ とし,三角形 $ABE$ の外接円と三角形 $ACD$ の外接円の交点のうち $A$ でない方を $P$ とする. このとき $\angle{BAP}=\angle{MAC}$ を示せ.

#8
★★☆☆☆

半径の等しい2つの円 $\omega_1, \omega_2$ が異なる点 $X_1,X_2$ で交わっている. 円 $\omega$ は $\omega_1$ と点 $T_1$ で外接し, $\omega_2$ と点 $T_2$ で内接する. このとき,直線 $X_1T_1,X_2T_2$ は $\omega$ 上の点で交わることを示せ.

#9
★★☆☆☆

直線 $l$ に円 $C_1$ と $C_2$ がそれぞれ異なる点 $A,B$ で接しており,$C_1$ と $C_2$ は外接している.$C_1$ 上に点 $P$,$C_2$上に点 $Q$ があり,$PQ=AB/2$ かつ $PQ\parallel AB$ をみたしている.$AP$ と $BQ$ の交点を $X$ とするとき,$\angle{AXB}$ の大きさとしてあり得るものをすべて求めよ.

#10
★★☆☆☆

球 $\Omega, \Gamma_1, \Gamma_2$ があり, $\Gamma_1, \Gamma_2$ は互いに外接し, それぞれ $\Omega$ に内接している. また,$\Gamma_1, \Gamma_2$ に外接し,$\Omega$ に内接する球 $\omega_0$ がある. このとき,$i=1,2,\dots,6$ について,球 $\omega_i$ を,次のように定める:

  • $\Gamma_1, \Gamma_2, \omega_{i-1}$ に外接し,$\Omega$ に内接する球. ただし,$i\geq 2$ のときは $\omega_{i}\neq \omega_{i-2}$ とする.

このとき $\omega_6=\omega_0$ を示せ.

#11
★★☆☆☆

三角形 $ABC$ において,外接円を $\Omega$,$\angle BAC$ の二等分線と辺 $BC$ の交点を $D$ とする.また,直線 $AD$ と $\Omega$ の交点のうち,$A$ でないほうを $E$ とする.また,$DE$ を直径とする円と $\Omega$ の交点のうち,$E$ でないほうを $P$ とする.辺 $BC$ の中点を $M$ とするとき,$\angle BAP=\angle MAC$ を示せ.

#12
★★☆☆☆

三角形 $ABC$ において,$p=\cfrac{AB+BC+CA}{2}$ とする.直線 $BC$ 上に,異なる2点 $E,F$ を $AE=AF=p$ をみたすようにとる.このとき,三角形 $AEF$ の外接円は,三角形 $ABC$ の $\angle A$ 内の傍接円に接することを示せ.

#13
★★☆☆☆

$A$ を中心に反転することで,4点 $A,B,C,D$ において $AB\cdot CD+BC\cdot DA\geq AC\cdot BD$ であることを示せ. 等号はいつ成り立つか?

#14
★★★☆☆

三角形 $ABC$ の内接円は,辺 $BC,CA,AB$ とそれぞれ点 $D,E,F$ で接している. $\omega, \omega_1, \omega_2, \omega_3$ はそれぞれ 三角形 $ABC, AEF, BDF, CDE$ の外接円とする.

  1. $\omega_1, \omega_2, \omega_3$ はある一点を通ることを示せ.
  2. $\omega$ と $\omega_1, \omega_2, \omega_3$ の交点のうち, $A,B,C$ でないほうをそれぞれ $P,Q,R$ とする. このとき,直線 $PD, QE, RF$ は一点で交わることを示せ.
#15
★★★☆☆
自作

円 $\Omega$ に内接する四角形 $ABCD$ において, 直線 $AB$ と $CD$ は点 $E$ で, 直線 $AD$ と $BC$ は点 $F$ で交わっている. このとき,点 $E,F$ を通り, 円 $\Omega$ に接する円は2つ存在するが, それらの半径は等しいことを示せ.

#16
★★★☆☆

三角形 $ABC$ の内部に,$\angle{APB}-\angle{ACB}=\angle{APC}-\angle{ABC}$ をみたすように点 $P$ をとる.三角形 $APB, APC$ の内心をそれぞれ $D,E$ とする.このとき,直線 $AP, BD, CE$ は一点で交わることを示せ.

#17
★★★☆☆

どの面も四角形であり,どの頂点にも $3$ つの面が集まっている六面体について, $8$ 頂点のうち $7$ 頂点が,ある同一球面上にあるとき, もう $1$ つの頂点もその球面上にあることを示せ.

#18
★★★☆☆

鋭角三角形 $ABC$ において,外心を $O$ とする. 三角形 $ABC$ の九点円と三角形 $OBC$ の外接円の交点を $X,Y$ とするとき, $\angle{BAX}=\angle{CAY}$ を示せ.

#19
★★★★☆

鋭角三角形 $ABC$ において内心を $I$ とし, 内接円と辺 $BC, CA, AB$ の接点をそれぞれ $D,E,F$ とする. また,直線 $EF$ と三角形 $ABC$ の外接円の交点の交点を $P,Q$ とする. ただし,$P,F,E,Q$ がこの順に並ぶようにとる. このとき $\angle{DPA}+\angle{AQD}=\angle{QIP}$ を示せ.

上の問題(Serbia 2013-3)と関係している.

#20
★★★★☆

円 $\Gamma,\Omega$ と直線 $\ell$ があり,$\Gamma$ と $\ell$ は接し,$\Omega$ と $\ell$ は共有点を持たない.また,$\Gamma$ と $\Omega$ は $\ell$ に関して互いに逆側の位置にある. $\Omega$ 上に動点 $X$ があり,$X$ を通る $\Gamma$ の接線は $\ell$ と $Y,Z$ で交わっている. このとき,$X$ の位置によらず,三角形 $XYZ$ の外接円はある固定された2円に接することを示せ.

#21
★★★★☆

三角形 $ABC$ において,外心を $O$, $\angle A$ 内の傍心を $I_A$ とする. また,$\angle{ABC}$,$\angle{ACB}$ の二等分線は 辺 $AC$,$AB$ とそれぞれ点 $D$,$E$ で交わっている. このとき $DE\perp OI_A$ を示せ.

傍接円で反転する.

#22
★★★★★

三角形の九点円と内接円は接することを示せ.

三角形 $ABC$ について示そう. 内接円と辺 $BC$ の接点を $D$, 辺 $BC$ の中点を $M$ とするとき, 中心 $M$ の $D$ を通る円で反転する.

参考になるリンク

IMOmath - inversion

あのEvan Chen氏の書籍の反転の章は無料で公開されています!