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#93
幾何
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点 $O$ を中心とする円 $\Gamma$ に内接する三角形 $ABC$ があり, $H$ をその垂心, $K$ を $OH$ の中点とする. また, $\Gamma$ の $B$ における接線と $AC$ の垂直二等分線との交点を $L$ とし, $\Gamma$ の $C$ における接線と $AB$ の垂直二等分線との交点を $M$ とする.

このとき, 直線 $AK$ と $LM$ は垂直に交わることを示せ.

平山:$K$ は九点円の中心
宿田:ふくs(殴
平山:$AK$ の定義に $K$ 使いたくないな
宿田:$L,M$ がふわふわしている
兒玉:$BC$ に関して $O$ と対称な点 $O’$?
平山:そっちの方がマシ…なはず…
兒玉:どこかに相似があると信じてる
平山:めっちゃ直角あるからなあ、なんか
平山:$BO’$ と $CM$ も直角に交わるのか
宿田:円 $BLO$ と $CMO$ の交点とか見る?
平山:要するに $O$ から $LM$ への垂線の足やん
兒玉:よく考えたら $AO’$ ってsymmedianじゃん
平山:嘘では?
兒玉:嘘でした…
兒玉:とはいえ接線の交点 $P$ を取るべき?
宿田:相似や共円の一つも見つからんのやばいな
平山:$AO’$ 目線に変えたの微妙説が、特に嬉しさが
兒玉:わかる
平山:$H$ を復元します… 垂線の足 $D,E,F$ と
平山:$DE\parallel MP$ なので、$CF$ と $DE$ の交点 $Y$ で $OMP$ と $HYD$ 相似
平山:同様に $OLP$ で $HXD$ が相似で、四点相似になる
宿田:その相似は見えんなあ
平山:あとは $XY$ と $AK$ の垂直を示せばよくて、$L,M$ は不要
宿田:そう来るか
平山:こう見ると $L,M$ の置き方まあまあ露骨だな
宿田:これもう $ABC$ 要らなくね
平山:$K$ が $DEF$ の外心なのを使うはずで
兒玉:これ見たことあって、$DEF$ の外心と傍心見るやつです
宿田:$KX^{2}-KY^{2}$ って計算できて、円 $DEF$ への方べきの差
平山:突然すごいことを言うね君
宿田:$AX^{2}-AY^{2}$ も傍接円を見ると計算出来て
平山:あー $A$ って傍心だったな… (そっから?)
宿田:あとは $DE,EF,FD$ で表せて、適当に
平山:すごい終わらせ方された…

  • 工事中

$A$, $B$, $C$ から対辺におろした垂線の足を $D$, $E$, $F$とし, $\Gamma$ の $B$ における接線と $C$ における接線との交点を $P$, 直線 $BE$ と $DF$ の交点を $X$, 直線 $CF$ と $DE$ の交点を $Y$ とする. 簡単な角度計算により $HX\mathrel{//}LO$, $HY\mathrel{//}MO$, $HD\mathrel{//}OP$, $XD\mathrel{//}LP$, $YD\mathrel{//}MP$ がわかる. よって, 四角形 $HXDY$ と $OLPM$ は相似であり, 特に $XY\mathrel{//}LM$ であるから, $AK\perp XY$ を示せばよい. 以下 $AX^2-AY^2=KX^2-KY^2$ を示す.

$K$ は三角形 $ABC$ の九点円の中心, つまり三角形 $DEF$ の外接円の中心であり, $A$ は三角形 $DEF$ の傍心であることに注意する. 三角形 $DEF$ の外接円の半径を $R$, $EF=d$, $FD=e$, $DE=f$, $s=(d+e+f)/2$ とおく. このとき \[ KX^2-KY^2=(KX^2-R^2)-(KY^2-R^2)=(-DX\cdot FX)-(-DY\cdot EY)=\frac{ef}{d+e}\cdot\frac{df}{d+e}-\frac{fe}{d+f}\cdot\dfrac{de}{d+f} \] である. また, $\angle{D}$ 内の三角形 $DEF$ の傍接円の半径を $r$ とし, $A$ から直線 $DE$, $DF$ におろした垂線の足をそれぞれ $H_e$, $H_f$ とおくと, \[ AX^2-AY^2=(r^2+H_fX^2)-(r^2+H_eY^2)=(s-e+FX)^2-(s-f+EY)^2 =\biggl(s-e+\frac{de}{d+f}\biggr)^2-\biggl(s-f+\frac{df}{d+e}\biggr)^2 \] である. ここで, \[ \biggl(s-e+\frac{de}{d+f}\biggr)^2+\dfrac{fe}{d+f}\cdot\frac{de}{d+f}=\biggl(\frac{d-e+f}{2}\biggr)^2+(d-e+f)\biggl(\frac{de}{d+f}\biggr)+\frac{d^2e^2+de^2f}{(d+f)^2}=\biggl(\frac{d-e+f}{2}\biggr)^2+de=\frac{d^2+e^2+f^2+2de+2df-2ef}{4} \] となり, これは $e$ と $f$ に対して対称であるから, \[ \biggl(s-f+\frac{df}{d+e}\biggr)^2+\frac{ef}{d+e}\cdot\frac{df}{d+e} \] も同じ値になるので, 示された.