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#88
整数論
★★★★☆

$P(x)$ を定数でない整数係数多項式とし, $n$ を正の整数とする. また数列 $\lbrace a_i\rbrace_{i=0,1,\cdots}$ を $a_0=n$ および $a_i=P(a_{i-1})$ によって定める. 任意の正の整数 $c$ に対し, $\lbrace a_i\rbrace$ が $1$ より大きい $c$ 乗数を含むとき, $P(x)$ は $1$ 次式であることを示せ.

宿田:$b_{i}=a_{i+1}-a_{i}$ として $b_{i}\mid b_{i+1}$
兒玉:二次以上と仮定して矛盾を導く?
宿田:階差が定数であることを示す…?
平山:多項式の合成すぐ頭壊れるから嫌い
兒玉:階差がどんどん掛け算されると余分な素因数たくさん持つから
兒玉:純粋なベキが入りにくいのかなとか考えたけど、階差と元々の数列って結構な差があるよな…
平山:$a$ が条件満たすなら前から有限項取っても良いけど
宿田:どの項と $n$ の差も $P(n)-n$ の倍数って強い気がしなくもない
宿田:例えば $7\mid P(n)-n$ だとして、$2^{100}$ が含まれてるとすべての項の ${\rm mod}\ 7$ は $2$ なんだけど
宿田:すると $6$ 乗数とか入らないし
平山:$p\mid b_{i}$とすると ${\rm mod}\ p$ で $a_{i}\equiv 0,1$ なのか
平石:宿田と平山の議論に齟齬を感じるんだけど
宿田:同じ話だと思う
渡辺:宿田のは $i=0$ の場合だと思う
平山:Eulerの定理にすれば素数のベキでも大丈夫なのか
平山:すると $a$ は二次の増え方しか許されていない
宿田:それはなぜ
平山:$b_{i}$ が $a_{i}(a_{i}-1)$ の約数なので。
宿田:天才か?
渡辺:さらに $2$ 次の係数が正のときだけ考えればいいのか
渡辺:負なら十分先で負になるし
平山:勝手に最初に弾いた気になっていた()
宿田:あとはなんか頑張れば詰められる感は、ある…
渡辺:$b_{i}=\alpha a_{i}^{2}+(\beta-1)a_{i}+\gamma$ が常に $a_{i}^2-a_{i}$ の約数
渡辺:こう書くと $(\alpha,\beta,\gamma)=(1,0,0)$ っぽくない?
宿田:普通に確定するね
平山:$x^{2}$ はダメなので、終わりです…

  • 整数係数多項式を見たらまずは $x-y\mid P(x)-P(y)$ (1行目)
  • 実験によって思ったこと (8行目)

$\lbrace a_i\rbrace$ はいくらでも大きい整数を含むことに注意する.

$b_i=a_{i+1}-a_i$ とすると, 有名事実として $b_{i-1}\mid b_i$ が成立する. $p$ を素数として, $p^k\mid b_i$ が成り立つとする. このとき\[a_{i}\equiv a_{i+1}\equiv a_{i+2}\equiv\cdots\pmod{p^k}\] $c$ として十分大きな $p^{k-1}(p-1)$ の倍数をとることで, Eulerの定理より $a_i\equiv0, 1\pmod{p^k}$ がわかる. これが任意の $p$ について成り立つことから, $b_i\mid a_i(a_i-1)$ が従う. ゆえに $\lvert P(a_i)-a_i\rvert\leq \lvert a_i(a_i-1)\rvert$ であるから, $a_i$ を十分大きくとることで $P(x)$ は高々 $2$ 次である. 以下, $P(x)$ が $2$ 次であると仮定して矛盾を示す.

$P(x)=\alpha x^2+\beta x+\gamma$ とする. $P(a_i)-a_i\mid a_i(a_i-1)$ より $\alpha a_i^2+(\beta-1)a_i+\gamma\mid a_i^2-a_i$ であるから, \[\alpha a_i^2+(\beta-1)a_i+\gamma\mid (a+\beta-1)a_i+\gamma\] $a_i$ を十分大きくとれば, $\alpha+\beta=1, \gamma=0$ が必要であり, $a_i(\alpha a_i-a)\mid a_i(a_i-1)$ より $\lvert\alpha\rvert=1$ である. $\alpha=-1$ のとき, 十分先で負の値しか取らず不適である. $\alpha=1$ のときは $P(x)=x^2$ だが, これも明らかに不適である.