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#78
整数論
★★☆☆☆

$n$ を正の整数とする. 平方因子をもたず, かつ $n$ を $k$ で割った商が奇数であるような, $n$ 以下の正の整数 $k$ は奇数個であることを示せ.

兒玉:square-free がどう生きてくるんやろうか
渡辺:対応付けでも作るのか?
宿田:(延々と計算を間違えている)
渡辺:$n$ から $n+1$ に変わるときを見ればいいのでは
渡辺:約数部分だけ変わるから、square-free が使えそう
兒玉:$1$ 増やすという発想は良さそう
平石:分子が $1$ 増えるときって高々 $1$ しか変わらんから
平石:$1$ 増えるのが偶数個って言えば良さそう
渡辺:$n$ の square-free な約数が偶数個って言えば良い?
兒玉:自明ですね

  • 工事中
補題.

$n$ を $2$ 以上の整数とする.

$n$ の正の約数で, 平方因子を持たないものは偶数個である.

証明.

$n$ の素因数が $l$ 種類であるとする. $l \geqq 1$ である. このとき, $n$ の正の約数で, 平方因子を持たないものは $2^l$ 個であり, 偶数個.

$A(n)=\lbrace k\mid 1\leqq k \leqq n, n$ を $k$ で割った商が奇数, $k$ は平方因子を持たない $\rbrace$ とする.

$|A(n)|$ が奇数であることを $n$ についての帰納法で示す. $n=1$ のとき, $A(1)=\lbrace 1 \rbrace$ よりよい.

$|A(n-1)|$ が奇数であると仮定する. $n-1$ を $k$ で割った商と, $n$ を $k$ で割った商を比べると, $k \mid n$ の時のみ $1$ 増える. このことから, $A(n-1)$ と $A(n)$ のどちらか一方にのみ属す整数は, $n$ の正の約数のうち平方因子を持たないものであり, 補題より偶数個. 従って, $|A(n-1)|$ と $|A(n)|$ の偶奇が一致することがわかり, 題意は示された.