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#3
整数論
★★★☆☆

正の整数 nsilesianであるとは, ある正の整数 a,b,c が存在して, 以下が成り立つことをいう. n=a2+b2+c2ab+bc+ca

(1) silesianな正の整数が無数に存在することを示せ.

(2) silesianでない正の整数が存在することを示せ.

平山(2) は一つ取れば勝ちなんですか、ほう
兒玉(1) はVietaみがある
平山(1) はなんか一つ取ったら順次取れていきそう
馬杉n+2 考えたくなりません?
平石n+2 は思いました
平山n=1 は有名不等式か
渡辺:自分は a=1 で固定して考えていた
平山:なんなら b=1 でも十分説はないか?
兒玉:いや、二つ固定されるとさすがに辛い気が
渡辺:二つ固定すると解が有限個
平山:それはそうだった…
馬杉:雑に a=x+y,b=xy と置いてみて、(2x+c)2/(x2+2xcy2)
馬杉:さっきからこれで試しているがうまく行かない
平山:雑に変形すると n 自体も変わって微妙ではありそう
渡辺:比が極端なやつを構成できれば勝ちだから行けないこともないと思う
平山a=1 で固定というよりは、a2 で割って有理数解を探すと見た方が良いよな
馬杉:具体例探し!!!!実験します!!!!
宿田:偶奇で場合分けすると 4 の倍数って出来なくないですか
平山:どれか奇数だと a2+b2+c24 の倍数にならない
平石:全部偶数だと全部 2 で割って良いから
平山(2) も無限個ってステートメントにすればよかったのに
平山(1) を倒します
兒玉:Vietaキツそう
宿田b,c を無限に構成しても意味ないからVietaやっぱりキツそうなのよね
平山:二変数ならまだ普通に二次方程式として解いて判別式を見ると…?
平山D=(c+1)2n24(c2cn+1) が有理数の 2
平石:これ n+2 で割れる
宿田(1,1,1) 以外の構成が全然見つからなくて泣いています
宿田(2,2,2) とかいうクソリプは無しです
平山n=2 はいっぱいあって、c=(a+b)2
宿田n=3 はなさそう?いやあっても良いのか (※編注:存在しないことが示せます)
平山:えー、案外雑に探してもダメだな
渡辺a=1 だと小さい範囲で見る限り n=2 以外ないですね
平山:厳しすぎん?
渡辺a=1 で良さそうという最初の余裕は何処へやら
馬杉:別方針行きましょう!!!!!
渡辺c=ab(ab1)a+b+(a2+b2)(a+b)n が整数になりそう
平山:えっ、その c どこから出てきたの?w
渡辺:元の式を (a+b)2 倍してから (a+b)cab を引く
平山:あー、そうしたら分子の c が消せるのか
渡辺c を元の式に代入すると n=(ab1a+b)2+a2+b2 だから無限に大きく取れる
平山:ここまで来たらバシッと生成式みたいなのを書きたいな
平山:条件としては a2+1a+b の倍数だから
馬杉a+bmod 41 と合同な素数とすれば、平方剰余から良くて、無限個!
平山:というか b=a2a+1 で良いのでは?()
渡辺:ついでだから c,na で表して最強の天下り答案を作ってみたい
平山c=a62a5+6a46a3+7a23a+1,n=a42a3+5a24a+2
宿田:wwwwww
平山:一周回って楽しいわこんなの

  • 不定方程式で文字の扱いを定数と未知数(変数)に差別化する
  • できるなら最大公約数で割って互いに素にしておいたほうが何かと便利
  • 無理な方針は無理

解法1. まず (1) について, 正の整数 a に対し以下のように定めればよいことを示す. b=a2a+1,c=ab(ab1)a+b+(a2+b2)(a+b) このとき ab1=(a+b)(a1) より b,c も正の整数である. また簡単な計算により (a+b)2n(a+b)cab=(a2+b2)(a+b)2+a2b2(a+b)c+ab=1 であることに留意すると, 以下が従う. (a+b)2n=(ab1)2+(a2+b2)(a+b)2 結局, 任意の a に対し n=(a1)2+a2+(a2a+1)2 はsilesianである. 無限性は明らか.

なお c,n を明示的に a の式で書き下せば, 以下のようになる. c=a62a5+6a46a3+7a23a+1,n=a42a3+5a24a+2

次に (2) について, 4 の倍数 n がsilesianであると仮定し矛盾を導く. a,b,c の最大公約数を g とし, a=ga,b=gb,c=gc とすると以下が従う. n=a2+b2+c2ab+bc+ca. ここで a2,b2,c20,1(mod4) であり, 特に g の最大性より a,b,c のいずれかは奇数だから,a2+b2+c20(mod4)よってこれは n4 の倍数であることに矛盾する.

解法2. (1) において, 正の整数 k に対し以下のように定める.a=k+1,b=k2+1,c=k4+k3+3k2+2k+1このとき, n=k2+1 (=b) はsilesianである.

(2) において, p=n+23 で割って 2 余る奇素数であるとき, n がsilesianであると仮定し矛盾を導く. 解法1と同様に a,b,c は互いに素であるとして良い. いま条件は以下のように変形できることに留意する.(a+b+c)2=p(ab+bc+a)これより a+b+c および ab+bc+ca はともに p の倍数であるから,pab+bc+capa2ab+b2(2ab)2+3b20(modp)しかし平方剰余の相互法則より mod p において 3 は平方非剰余であることが容易にわかるから, これは不適である.

なお, 同様にして任意の n3(mod6) がsilesianでないことも示される.

類題
★★★☆☆

正の整数の組 (a,b,c) であって, a2+b2+c22013(ab+bc+ca) で割りきれるものは存在するか?