渡辺：$AH$ の中点を $M$ としておく
渡辺：いちおう外接円を $AH$ で移して考えても良い
兒玉：$H$ での方べきを考える？二つの円で $4$ 倍の違いだけど
馬杉：そうか、九点円 $\omega$ を垂心で $2$ 倍に拡大したら外接円 $\mathrm{\Omega }$ か
兒玉：半径が $2$ 倍になるって事実使えるかなあ
馬杉：出てくる円の特徴付けに $B$ とか $C$ って要らないですよね
渡辺：移した後の九点円 ${\omega }^{\prime }$ と $\mathrm{\Omega }$ を固定すると
渡辺：$H$ はアポロニウスの円 $\mathrm{\Gamma }$ 上を動いて、特に $X,Y$ はその円上
兒玉：なるほど、それぞれの中心からの距離が $2:1$ になる点の集合ね
渡辺：$\omega$ の中心を $O_{\omega }$ などとして
渡辺：$\mathrm{\Gamma }$ と $O_{\mathrm{\Omega }}{O}_{{\omega }^{\prime }}$ の交点で $O_{\omega }$ から遠い方を $Z$ とする
馬杉：$O_{\mathrm{\Omega }}{O}_{{\omega }^{\prime }}=O_{{\omega }^{\prime }}Z$ になるね
渡辺：$O_{\mathrm{\Omega }}{O}_{\omega }=O_{\omega }H$ だから $ZH$ と $O_{\omega }{O}_{{\omega }^{\prime }}$ は平行
馬杉：あー、理解した
渡辺：$AH$ と $ZH$ が垂直になって、$\mathrm{\Gamma }$ で角度見るとできる
兒玉：なるほど

• アポロニウスの円を使う
• 固定するものを変えていろんな気持ちで図を書いてみるのもあり

解法1.　円 $\mathrm{\Omega },\omega ,{\omega }^{\prime }$ の中心をそれぞれ $O_{\mathrm{\Omega }},O_{\omega },O_{{\omega }^{\prime }}$ とする. また $P{O}_{\mathrm{\Omega }}=2P{O}_{{\omega }^{\prime }}$ を満たす点 $P$ の集合として与えられるアポロニウスの円を $\mathrm{\Gamma }$ とする. 九点円の性質より $O_{\omega }$ は $O_{\mathrm{\Omega }}H$ の中点であり, かつ $\mathrm{\Omega }$ の半径は $\omega$ および ${\omega }^{\prime }$ の半径の $2$ 倍であることに留意すると, $X,Y,H$ は $\mathrm{\Gamma }$ 上にあることが容易にわかる.

$Z$ を直線 $O_{\mathrm{\Omega }}{O}_{{\omega }^{\prime }}$ と $\mathrm{\Gamma }$ の交点のうち $O_{\mathrm{\Omega }}$ から遠い方とする. $X$ と $Y$ は直線 $O_{\mathrm{\Omega }}{O}_{{\omega }^{\prime }}$ に関して対称で, $\mathrm{\Gamma }$ も同じ直線に関して対称だから, $Z$ は 弧 $XY$ の中点である. よって $ZH$ は $\mathrm{\angle }XHY$ を二等分する.

ところで $Z$ は $\mathrm{\Gamma }$ 上の点だから $Z{O}_{\mathrm{\Omega }}=2Z{O}_{{\omega }^{\prime }}$ で, $O_{{\omega }^{\prime }}$ は線分 $O_{\mathrm{\Omega }}Z$ の中点である. 中点連結定理より $O_{\omega }{O}_{{\omega }^{\prime }}//HZ$ で, これと $AH\perp O_{\omega }{O}_{{\omega }^{\prime }}$ より $AH\perp HZ$ である. 以上より示された.

解法2 (反転).　より一般に以下の命題を示す.

$\ell$ について $\mathrm{\Omega }$ と対称な円を ${\mathrm{\Omega }}^{\prime }$ とし, $X,Y$ と対称な点をそれぞれ $X^{\prime },Y^{\prime }$ とする. $\mathrm{\Omega }$ と $\omega$ を互いに移す $H$ 中心の反転を考えると, これにより ${\mathrm{\Omega }}^{\prime }$ と ${\omega }^{\prime }$ は互いに移り合い, これより $X,Y$ はそれぞれ $Y^{\prime },X^{\prime }$ に移される. すなわち $X,H,Y^{\prime }$ と $X^{\prime },H,Y$ はそれぞれ共線で, このとき命題の成立は容易にわかる.