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#12
幾何
★★★★★

三角形 ABC があり, S,T をそれぞれ BC,CA の中点, MST の中点とする. また三角形 AMT の外接円を ω とし, 直線 AB との交点のうち A でない方を N とする. ωM,N における接線の交点を P とするとき, P が直線 BC 上にあることと AB=AC は同値であることを示せ.

平山:えー、これやばそう
兒玉:iffの問題、あまり好きじゃない()
馬杉ANM=TANATMN は等脚台形
平山:それ良さそう
馬杉:外心がちょっと見やすい位置にあるかも?
兒玉:ifの方が示すの楽そう
宿田:iffってどっちか自明なこともあったり無かったり
馬杉:でも今回はifも難しそうな気がする
平山AT=MN の良い活かし方ないかな
平石MTCSMN が合同です
渡辺AB の中点を L とすると、ML=NS
平山MLNS も等脚台形か
平石:それだけなら SL=MN からすぐ従うかな
平山:等辺めっちゃあるじゃん
平山P について扱えてなさすぎるんだよね
宿田:いずれにせよ再定義は必要そう
兒玉AMTN の交点を Q とすると、NPMNQA が相似で、QNPM が共円
馬杉Q 良さげですね
平石:そしたらangle-chaseして ABPQ の平行がわかる
馬杉Q めっちゃ良いですね
平山:まだ ABC の形に依存していない議論なのも良い
平石:ifの方は、BC 上で AB//PQP を定めて、MP=NP とか示す?
平山:共円を示すという手もありそう
平石:円 PQMNATMN の外心 O も通るね
平山:それで OP が直径になるのか
平石M が中点であることをあまり使っていない気がします
平山:そもそも S とか T とかが中点である意味もまだ薄い
馬杉:あと ABC の形に依存しそうな議論が見えてこない
平山:それはむしろ概して嬉しいことじゃない?
平山AS,MN,PQ が共点っぽい
渡辺:正しい
平石:それは TM=MS から従う
馬杉QNPANM が相似になっている
平山:今の共点と合わせてその回転相似は悪くなさそう?
馬杉MNPQ の交点を R とおいて、方べきの値とか見てみない?
平山:それに関連して、円 MLNSOQ,AS が共点という予想を立てていて
平山:方べきを見ると、その共点と PQS も共円になっていて
平山:さらにifと同値になっていることがわかる、二等辺に依存かな?
平石:二等辺じゃないケースで乗るのはヤバそう、依存っぽい
馬杉:直線 PQAC との交点を K とすると、AKMP って共円か
平山PKT=BAC=PNT から言える
馬杉:ここからは完全に思い付きなんだけど、AB と平行な直線 であって
馬杉AC,BC の交点を K1,P1 として、AK1MP1 が共円なものを考える
馬杉AM の交点を Q1 とおいたとき、Q=Q1 と同値になる?
宿田:もはや計算とかでどうにかなりそうな気も
宿田:でも歳を取って計算をしたくなくなった、川に桃でも流れてこないかな
平石:本番だったらやってるところだけど、今はやりたくない
宿田:これPascalって刺さる?
平山:同じ点を2回使うことで接線を引き出すみたいなテクは一応あって
平山:というか今気付いたけど、AS,TP,ω って共点っぽいんじゃない?
平石:今それ思ったところだった、示せてる?
宿田:示せた、ASω の交点 D について、R まわりの方べきから ADPQ 共円で
宿田:適当にangle-chaseすると PDT=180 が示せる
平山ATMTMD でPascal使うと、T での ω の接線と AM の交点をWとして
平山S,P,W が共線だから、WBC 上と同値になって、ほぼすべての点が消える
平山:相似から AW:MW=AT2:MT2 で、二等辺とこれが 4:1 になることが同値だけど
平山AMBC の交点 W について適当に辺比を見て AW:MW=4:1 なので、終わりです
宿田:平山のやつ確認できました
馬杉:思い付きって言ったやつ恐らく終了できた、AQ1:Q1M=1t:t とおくと、
馬杉Q1 まわりの方べきから 16tAM2=(1+3t)AB2 という式が出てくるはず
馬杉:同時に Q=Q1 のとき AN/AB=(1t)/4t が成り立つわけだけど、
馬杉4AM2=AB(AB+AN) のとき勝手に従うから、これと AB=AC が同値になってほしい
宿田AM2 って中線定理でバラせるよね、さらに AS2 出てくるし
平山AN が厳しそうだったけど、等脚台形って話でどうにかなるか
宿田cosA とか持ち出せば、結局外周だけ使えばよくなるはず
平山:整理すると 3AC2=AB2+BC2+2ABACcosA となった
平山:半角公式っぽいとか思ったけど普通に余弦定理で消えるじゃん、終わりです
馬杉:やったー
平山:RMM怖いですね……

  • 工事中

解法1. 四角形 ATMN が等脚台形であることに注意する. AMNT の交点を Q とすると, 簡単な角度計算により Q,N,P,M の共円と AB//PQ がわかる. また ASMN の交点を R とすると, AN:MS=AN:MT より QR//ST が従う. ゆえに P,Q,R は共線である.

ASω の交点のうち A でない方を D とする. このとき, 方べきの定理より RA×RD=RN×RM=RP×RQ であるから, ADPQ は共円. したがって PDA=PQA=180NAQ=180ANT=180ADT より PDT は共線である. ここでPascalの定理を ATMTMD に適用することで, AMT における ω の接線との交点を W とすると, これと S,P が共線であることがわかる.

WMTWTA の相似よりAW:MW=AT2:MT2であるから, 特に以下が従う. AB=ACAW:MW=4:1  また AMBC の交点を W とすると, Menelausの定理から SW:WC=1:2, さらに AW:MW=4:1 であることがわかる. よって AB=ACWBCPBC より題意は示された.

解法2. 直線 ACPQ の交点を K とすると, 接弦定理および Q,N,P,M の共円より PKT=BAC=PNQ=180AMP であるから, 特に四点 A,K,M,P は共円である.

ここで, AB と平行な直線 であって, AC,BC の交点 K1,P1 について A,K1,M,P1 が共円であるものを考える. このとき, AM の交点を Q1 とすれば, 以下の同値が成立することに留意する. PBCQ=Q1

いま AQ1:Q1M=1t:t とおくと, 簡単な辺比計算によって方べきの定理から AQ1×MQ1=K1Q1×P1Q16tAM2=(1+3t)AB2

さらに ABQ1T の交点を N1 とすれば, AN1:AB=(1t):4t であるから, 以下の同値が従う.

4AM2=AB(AB+AN)ANAB=1t4tN=N1Q=Q1

ここで三角形 AST および ABC に対して中線定理を順次適用して 4AM2=2AS2+12AC214AB2=34AB2+32AC212BC2

また四角形 ATMN が等脚台形であることから AN=MT+2ATcosA=14AB+ACcosA

これらを合わせて以下の同値を得るが, 余弦定理より右は AB=AC と同値であり, 特に題意は示された. 4AM2=AB(AB+AN)3AC2=AB2+BC2+2ABACcosA