素数の組 $(p,q)$ であって,$3p^{q-1}+1$ が $11^p+17^p$ を割りきるようなものをすべて求めよ.
平石:分子両方とも $p$ かい
平山:とりあえず偶数とか分離した方がいいんかな
馬杉:とりあえず大小評価とかしよう
渡辺:$p=2$ では解ないのでは
平石:ないですね
兒玉:$a^{p}+b^{p}$ の素因数の形が限られるみたいな話があった気が
渡辺:位数取ると指数の $p$ が効くやつかな
馬杉:素因数 $r$ について、$(a/b)^{2p}\equiv 1\ ({\rm mod}\ r)$
平山:ってことは位数が $2p$ で…いや $2$ かもしれないな
渡辺:$r=2,7$ だと例外的になる
兒玉:これ $(3,3)$ が解なんですね
兒玉:でも分母の形的にそれだけで言えるわけでもなさそう
馬杉:大体 ${\rm mod}\ 2p$ で $1$ っぽい話は持ってても良いのでは
渡辺:LTEから $7$ のオーダーは基本 $1$ だし、$2$ のオーダーも基本 $2$
渡辺:例外部分の性質はかなりよくわかっている
平山:${\rm mod}\ 2p$ におけるズレみたいなのを見ていけば
馬杉:${\rm mod}\ 2p$ で $p+1$
渡辺:同時に ${\rm mod}\ 2p$ で $28$ の約数
平山:じゃああとは $p=3,7,13$ とかだけ試せば良いのか?
馬杉:まあもう有限個だし…
平山:… $q$ が素数であること使ってなくね??
- $a^p+b^p$ の素因数が限られる話は難しめのNの最重要レベルの定石感
- ${\rm mod}\ p$ で議論を推し進めたほうが再現性は高い気がした
求める組は $(p,q)=(3,3)$ のみであることを示す.$M=3p^{q-1}+1,N=11^p+17^p$ とおく.
$p=2$ のとき $N=310$ より $q\leqq 7$ が必要だが,これはすべて不適である.以下 $p$ は奇素数であるとする.
(※編注:ここから「解いてみた」では ${\rm mod}\ 2p$ を観察しているが,感想欄でも言及のある通り実際には ${\rm mod}\ p$ を見れば十分であったので,簡単のため以下ではそのような方針で進める.)
$11^p+17^p$ の $2,7$ でない素因数 $r$ について $r \equiv 1 \pmod p$
以下より $r \neq 3$ に留意する. \[11^p+17^p \equiv 2^p+2^p \not \equiv 0 \pmod 3\] $r \neq 17$ より $11 \equiv 17a \pmod r$ なる整数 $a$ がとれ,このとき $a^{2p} \equiv 1 \pmod r$ である.ここで $a$ の $\bmod r$ における位数を $d$ とすると,これは $2p$ の約数であり,特に $d=1,2$ は不適であるから $p\mid d$ がわかる(実際は $d=2p$ である).よってFermatの小定理より $a^{r-1} \equiv 1 \pmod r$ と合わせて主張が従う.
さて $s=v_2(M)$,$t=v_7(M)$ とすると,補題より以下が従う. \[2^s7^t \equiv M \equiv 1 \pmod p \] $p$ が奇数であることから\[11^p+17^p \equiv 3^p+1 \equiv 4 \pmod 8\]加えて $M$ は偶数であるから $s=1,2$ が必要である.
ここで $p=7$ とすると $t=0$ だが,これは $s=1,2$ に反する.したがって,LTEの補題より \[v_7(N)=v_7(11^p-(-17)^p)=v_7 (11-(-17)) +v_7(p)=1 \] すなわち $t=1$ を得る.ゆえに $p$ は $2^s7^t-1$ の約数であることから,$p=3,13$ が必要である.
$p=13$ のとき $M \equiv 3(-1)^{q-1} +1\not \equiv 0 \pmod 7$ より不適である.
$p=3$ のとき $N=6244$ より $q\leqq 7$ が必要で,このとき $q=3$,すなわち $M=28$ のときのみ適する.